墓地経営にあたっては、都道府県知事等の許可が必要です。墓地経営のルールについては、墓埋法10条以下に規定があります。
墓地の経営者は、管理者を置き、管理者の本籍、住所および氏名を、墓地所在地の市町村長に届け出なければなりません(墓埋法12条)。
墓地の経営者とは、墓埋法10条の規定によって都道府県知事等による墓地経営許可を受けた者のことを指しますが、経営主体は地方公共団体・宗教法人・公益法人に限られていることから、墓地の経営者は必然的に法人となります。
墓埋法13条ないし18条は、管理者が行うべき事務に関する規定を設けていますが、これらの規定は、管理者は自然人であることが前提となっています。
管理者は、墓地の運営および管理につい ての事務取扱責任者ですので、その果たす役割は極めて重要です。
それゆえ、管理者の本籍、住所および氏名は市町村長に届け出ることになっています。それでは、墓地管理者の行うべき事務について墓埋法のそれぞれの規定ごとに見ていきましょう。
墓埋法13条は、墓地の管理者は、墓地の使用者より埋葬、埋蔵の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならないと規定しています。
この規定は、埋火葬の施行が円滑に行われ、死者に対する遺族等関係者の感情を損な うことを防止するとともに、公衆衛生その他公共の福祉に反する事態が発生しな いために設けられています。
墓埋法13条の「正当の理由」とは、社会通念により、 個別事案ごとに判断することになりますが、たとえば、①当該墓地に新たな埋葬を行う余地がないこと②依頼者が墓地等の正常な管理に明らかに影響を及ぼすおれがあることなどが「正当の理由」にあたると解されています。
墓埋法13条の「正当の理由」の解釈は、実務上、異教徒からの埋葬依頼にどうするかに絡んで問題となってきます。
墓埋法14条は、墓地の管理者が、墓地使用者に許可証のない埋葬または焼骨の埋蔵をさせることを禁じています。
これは、埋火葬等に許可制度がある以上、それに実効性をもたらすための当然の規定です。
墓埋法15条1項は、墓地の管理者は、省令の定めるところにより、図面、帳簿または書類等を備えなければならないと規定しています。
そして、墓埋法15条2 頂は、墓地管理者は墓地使用者その他死者に関係がある者の請求があったときは、 同条1項の図面、帳簿、書類等の閲覧を拒んではならないとしています。
墓埋法 15条の規定は、管理者が墓地等の状況を常に把握し、その適切な管理を期するとともに、経営に係る情報を開示することを通じ、墓地の使用者等の保護を図るものです。
墓地管理者が備え付けなければならない図面、帳簿、書類は、墓埋法施行規則6条および7条に規定されています。具体的には、以下のようなものを備え付けなければなまりせん。
1 墓地の所在地、面積および墳墓の状況を記載した図面2墓地・埋葬に関する事項を記載した帳簿・墓地使用者等の住所・氏名 ・死亡者の氏名、死亡年月日等と埋葬の年月日 ・改葬した場合の記録3墓地経営にかかわる業務上の書類・財産目録 ・貸借対照表 ・損益計算書・事業報告書・その他財務に関する書類
墓埋法16条は、墓地の管理者は、埋葬許可証、火葬許可証または改葬許可証を 受理した日から5年間これらを保存しなければならないとしています。
墓理法17条は、墓地の管理者が、毎月5日までに、その前月中の埋葬の状況を番地所在地の市町村長に報告しなければならないことを規定しています。
墓地の管理者が、あくまで報告しなければならないのは埋葬(つまり、土葬)の場合だけであり、焼骨の埋蔵については、報告の義務はありません。これは、焼骨の埋蔵については、衛生上の問題が埋葬に比較して少ないためです。
墓埋法18条は、都道府県知事等が必要があると認めるときは、当該職員(墓埋法施行規則10条規定の環境衛生監視員)に墓地の管理者から必要な報告を求めることができると規定しています。
これは、墓地の管理が適正に行われることを担保 するための規定です。
管理者が、墓埋法13条ないし18条に違反したときは、1万円以上2万円以下の罰金または拘留もしくは科料に処せられます(墓埋法21条、罰金等臨時措置法)。
墓埋法19条は、都道府県知事等は、公衆衛生その他公共の福祉の見地から必要があると認めるときは、墓地の施設の整備改善またはその全部もしくは一部の使用の制限もしくは禁止を命じたり、墓地経営許可を取り消すことができる旨規定しています。
この規定は、都道府県知事等が墓埋法15条、17条、18条によって実 態を把握した墓地等の中でその管理等の状況が不適当なものについては、都道府県知事等が命令または許可の取消処分ができることとし、墓地等の管理等が適切に行われるための権限を都道府県知事等に与えています。
都道府県知事等の命令 に違反したときは、6カ月以下の懲役または罰金に処せられるなど、 他の墓埋法違反の罪よりも重い罰則が予定されています。