今回は、宗教法人が任意解散する場合の流れについて解説していきます。
宗教法人が自ら解散しようとしたときは、まず、規則に定められた手続に従っ て宗教法人としての意思を決定します(法44条2項)。解散という重大な影響を及 ぼす行為については、通常よりも加重した手続要件(包括宗教団体の承認や総代会の同意、責任役員会の議決においては全会一致が必要等)を定めている場合がほとんどですが、もし規則にそのような規定が設けられていないときは、原則どおり責任役員の定数の過半数で解散の可否を決します。
解散は、その宗教法人の信者その他の利害関係人にとって極めて重大な影響を 及ぼします。
そのため、宗教法人法は、解散をなすにあたって、信者その他の利害関係人に対し、解散に意見があればその公告の日から2カ月を下らない一定の期間内にこれを申し述べるべき旨を公告しなければならないと規定しています。
そして、その公告を見た信者その他の利害関係人が解散に関して意見を 述べたときは、その意見を十分に考慮して解散の手続を進めるかどうかについて再検討しなければなりません。
他の公告事項については、信者その他の利害関係人の意見を考慮するようにとの宗教法人法上の規定はありませんが、解散の場合だけ「十分に考慮」しなさいとの規定がわざわざ盛り込まれたのは、解散による信者その他の利害関係人に及ぼす影響がそれだけ大きいからです。
信者その他の利害関係人の意見の申出期間が経過したら、解散をなす宗教法人 は、所轄庁に対し、解散の認証を申請します。
申請にあたっては、認証申請書に解散の決定について規則で定める手続を経たことを証する書類と解散公告をしたことを証する書類を添付する必要があります。
解散の認証申請が所轄庁に提出されたときは、所轄庁は、書類が整っているなどの形式的な審査を行い、特に問題がなければ、認証申請を受理し、その旨を 認証申請をした宗教法人に通知します。
そのうえで、所轄庁は、規則規定の手続が行われたか否かや公告がなされたか否かについて審査し、手続が適法になされ ていると判断したときは、解散の認証を行います。
所轄庁が解散の認証を行ったときは、所轄庁は、認証申請を行った宗教法人に 対して、認証書の交付を行います。
任意解散の効力は、解散に関する認証書の交 付によって発生します。
解散の認証書の交付を受けた日から2週間以内にその宗教法人の主たる事務所の所在地において、解散の登記および清算人就任の登記をしなければなりません。
最後に清算に関しては、結了登記と結了届を提出すれば手続きは終了となります。